著者:GATER KAZUKI|GT-Rotaku.com
みなさん、こんにちは。GATER KAZUKIです。
今日は少し変わり種の話をします。
映画「ワイルドスピード」シリーズに、ハン・ルーというキャラクターがいます。クールで、飄々としていて、どんなマシンでもさらりと乗りこなす男。そのハンを演じているのが、韓国系アメリカ人俳優のサン・カン氏です。
このサン・カン氏が、筋金入りのクルマ好きだということを、あなたは知っていましたか。
TOKYO DRIFTという出来事
2006年公開の「ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT」。
このシリーズ3作目で、ハン・ルーというキャラクターは一気に世界中のファンを獲得しました。舞台は東京。路地を縫うようなドリフトシーン。そこに登場するマツダRX-7やその他の日本車たち。
このとき世界中の若者が「日本のクルマはカッコいい」と思った。そう思った人の中には、GT-Rに興味を持った人も、間違いなくいたはずです。ワイルドスピードがGT-R文化の普及に果たした役割は、数字では測れないくらい大きいと私は思っています。
俳優の皮を被ったカーガイ
サン・カン氏は1972年生まれ、ジョージア州出身の韓国系アメリカ人です。
両親の反対を振り切って俳優の道に進んだ人ですが、クルマへの愛情は本物です。最初の愛車は1993年式のマツダRX-7(FD3S)。父親に「RX-7を買ってやるから法律学校に行け」と言われ、RX-7だけ受け取ったという逸話が残っています。
その後、2015年に購入した日産フェアレディZ(S30型)をフルカスタムした「FUGU-Z」が世界的な話題になりました。このFUGU-Zに搭載されたエンジンが、R32 GT-RのRB26です。ツインターボを外してNA仕様に仕上げ、SEMAショーに出展。グランツーリスモ・アワードを受賞しています。
ポルシェでもフェラーリでもなく、S30ZにRB26を積む。これは、趣味でクルマをいじる俳優の話じゃない。本気のカーガイの仕事です。
GT-Rの楽園への訪問
2022年、サン・カン氏は福岡・行橋にあるGT-Rチューニング専門店「ガレージアクティブ」をお忍びで訪れました。
この訪問のきっかけは、アクティブ坂本代表のインスタグラムにサン・カン氏がいいねをしたことだったと言います。ハリウッドスターがいいねをしてきた——坂本代表が驚いたのは当然でしょう。その後、アメリカのイベントで実際に顔を合わせ、信頼関係が生まれた。
当日、作業ピットへ直行したサン・カン氏は、ずらりと並んだGT-Rを前に「このクルマは何馬力?」「ゼロヨンタイムはどれくらいですか?」と質問を浴びせ続けました。炎天下の中、1時間近くピットを離れなかったと伝えられています。HKSのフルドライカーボン製コンプリートエンジンを目にしたときは、「どうしてこんな凄いモノがこの場所にあるんだ?」と目を見開いた、と。
社交辞令で来た人間の目じゃない。本気でGT-Rを知りたい人間の目です。
訪問を終えた深夜、サン・カン氏はアクティブのGT-Rを自らドライブして北九州のナイトミーティングへ出向きました。現場はパニックになったそうです。
GT-Rへの本音
ガレージアクティブでのインタビューの中で、サン・カン氏はこんな言葉を残しています。
GT-Rが凄い性能を持ったクルマだということは知っていたが、正直、最近までそれほど強い魅力は感じていなかった——と。でも、GT-Rに情熱を注いでいる人たちと出会い、対話を重ねるうちに、大いに興味が湧いた。いつか手に入れられる日が来れば良いな、と。
これを読んで、私は思いました。GT-Rの魅力は、走るだけじゃない。GT-Rを愛している人たちが作るコミュニティそのものが、次の誰かを引き込んでいく。
ハリウッドスターを引き込むくらい、GT-Rの世界は深い。
最後に
サン・カン氏はスクリーンの中でハン・ルーを演じ、スクリーンの外でもカーガイとして生きています。
その二つが重なる場所に、日本車があり、GT-Rがある。
TOKYO DRIFTから20年近くが経ちました。でも、あの映画が世界中に蒔いた種は、今もどこかで芽を出し続けています。
以上、GATER KAZUKIでした。
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