著者:GATER KAZUKI
みなさん、こんにちは。GATER KAZUKIです。
「BNR32は持病持ちだから覚悟しとけよ」
購入を検討している人なら、一度は言われたことがあるはずです。オイル漏れ、電装トラブル、色々な"持病"が一緒くたに語られます。
今日はこれを、ちゃんと仕分けします。結論を先に言うと、「持病」と呼ばれるものは3種類あって、それぞれ深刻度も原因もまったく違います。
①パワステオイル漏れ:これは100%本当、構造上の欠陥です
まず、一番言い訳のできない持病から。
BNR32はパワステのリザーバタンクの蓋の部分から、普通に走行しているだけでもオイルが漏れる構造になっています。新品のタンクに交換しても必ず漏れる箇所で、コーナーを攻めるような走行をすると、オイルが勢いよく噴き出すこともあります。
これは経年劣化や個体差の話ではなく、設計そのものの弱点です。対処法もタンクカバーを被せる程度しかなく、根本的な解決策は基本的にありません。「持病」という言葉が一番ふさわしいのは、間違いなくこの箇所です。
②アテーサE-TSのオイル漏れ:本当だが、"経年"であることも忘れずに
次によく言われるのが、アテーサE-TSユニットからのオイル漏れです。
整備工場のブログを見ると、この修理依頼は今でも頻繁に発生しています。ニスモも2019年から、通常のヘリテージパーツでは対応できないE-TS油圧ユニットについて、車載状態で点検した上で修理するプログラムをわざわざ立ち上げているほどです。日産側が公式に修理体制を作らざるを得ないくらい、需要がある故障ということです。
ただし、ここは①と少し性質が違います。BNR32はすでに製造から30年以上が経過しているクルマです。ゴムパーツやシール類が経年で劣化するのは、正直どんなクルマでも起きること。「BNR32だから」というより、「30年選手だから」という側面も大きいです。設計の欠陥というより、寿命と付き合っていく部類の持病だと考えた方が正確です。
③オイルパンの割れ・オイル漏れ:実は"人為的ミス"の要素が大きい
3つ目が、オイルパンからのオイル漏れです。
BNR32のオイルパンは柔らかいアルミ製で、オイル交換時にドレンボルトを締めすぎるとネジ山を傷めてオイルが漏れ出す、という話がよく語られます。
ただ、これをそのまま「BNR32の持病」と呼ぶのは、少し不正確です。原因の多くは、締め付けトルクを誤った人為的なミスです。アルミパンが経年で脆くなっているのは事実ですが、正しいトルク管理さえされていれば防げるケースがほとんどです。整備に慣れていない人がDIYでオイル交換をした結果、悪化しているケースが多いという指摘もあります。
つまりこれは「設計の弱点」よりも「扱い方の問題」に近い持病です。信頼できる整備工場に任せていれば、そもそも遭遇しにくいトラブルとも言えます。
結論:持病は"3種類"に分けて考えるべき
整理すると、こうなります。
パワステオイル漏れは、100%本当の構造的な弱点。アテーサのオイル漏れは、本当だが「経年劣化」という文脈込みで見るべきもの。オイルパンのオイル漏れは、扱い方次第で避けられる、やや誤解を含んだ持病。
「持病持ち」とひとくくりにされがちですが、実際にはここまで中身が違います。正しく知って、正しく整備すれば、過度に恐れる必要はありません。むしろ知らずに乗ることの方が、よほどリスクです。
以上、GATER KAZUKIでした。
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