著者:GATER KAZUKI
みなさん、こんにちは。GATER KAZUKIです。
今日は少し怒っています。最初に言っておきます。
R32の価格が、おかしなことになっています
2010年代前半、程度の良いR32 GT-Rは国内で200〜400万円程度で流通していました。高いとは思いながらも、「頑張れば手が届く」という感覚がまだあった。
それが今、どうなっているか。
国内の程度良好個体は500万円を超えることが当たり前になり、走行距離が少なくフルノーマルの個体であれば700万、800万という値段がついています。北米への並行輸出が本格化した影響もあって、国内の玉数が目に見えて減っている。
アメリカでは100,000ドルを超える個体が普通に売買されています。10年前の3倍以上の価格です。
これ自体は、市場の話なので仕方ない部分はあります。希少性が上がれば価格が上がる。需要と供給の話です。
問題はその買い手の中に、一定数「GT-Rが好きで買った人間」ではない層が混じっていることです。
「資産として持つ」という発想について
数年前から、旧車・ネオクラシックカーを「オルタナティブ投資」として捉える動きが国内外で広がっています。株や不動産とは異なる値動きをする実物資産として、GT-Rを含む日本のスポーツカーに資金が流入している。
その結果として起きているのが、「乗らない個体の増加」です。
温度管理された倉庫に保管され、走行距離を極限まで抑えられた状態で維持される個体。エンジンをかけることすら最小限にして、「コンディションの維持」という名目で実質的に動かされていない車。
はっきり言います。
そんなことのためにGT-Rは作られていません。
車は走らせるものです
R32 GT-Rがなぜこれだけの価値を持っているのか、少し考えてほしいんです。
グループAで29連勝したからです。ニュルブルクリンクを走ったからです。RB26DETTが唸りを上げながら限界近くまで回されたからです。加藤博義さんがアンダーステアに納得いかなくてスタビライザーを変えたからです。カルソニックとリーボックが鈴鹿でバトルしたからです。
走ったから、価値がある。
それを「走行距離が少ない方が価値が高い」という理屈で、ガレージに閉じ込める。エンジンをかけることを「走行距離が増えるから」という理由で躊躇する。
これはGT-Rへの冒涜だと私は思っています。少し過激な言い方かもしれませんが、本当にそう思っているので書きます。
「乗らないなら売ってくれ」という話
価格高騰の影響を一番受けているのは、本当にR32に乗りたい人間です。
20代でR32を手に入れようとしている若いオーナーが、500万円を超える価格と向き合わなければならない。程度の良い個体が市場から消えていく中で、残っている車を選ばざるを得ない。維持費も上がっている。部品も上がっている。
その状況を作っている一因が、乗らない個体の増加です。
走らせないなら、走らせたい人間に渡してほしい。これが本音です。所有権の話はわかっています。買った車をどうしようと個人の自由です。でも「GT-Rが好きだから」という理由ではなく「値上がりしそうだから」という理由で買って、倉庫に入れておく。その行為に対して、私は賛成できません。
投資目的で買うこと自体を全否定はしません、が
ここで少し公平なことも書きます。
投資目的で旧車を買うことが、絶対に悪いとは言い切れません。そういった購入者がいることで市場が活性化し、整備業者や部品供給業者が事業を続けられるという側面もある。高値がついているからこそ、良い状態で維持されている個体が増えているという現実もある。
ただ、それはあくまで「結果として市場に良い影響を与えているケース」の話です。
乗らない、動かさない、エンジンもかけない、ただ保管しているだけ。そういう個体が増えることは、GT-Rというブランドの文化的な蓄積に何も貢献しません。走ることでしか生まれないデータも、経験も、物語も、何も生まれない。
本当にGT-Rが好きな人間への話
最後にこれだけ言わせてください。
価格が上がることは止められません。市場に抗うことはできない。でも「それでも乗る」という選択は、オーナーにしかできないことです。
雨の日は乗らなくていいです。サーキットに持っていけとは言いません。でも、せめてエンジンをかけてください。走らせてください。RB26DETTに空気を吸わせてください。あのエンジンは走るために作られています。
倉庫の中で眠っているR32を想像するたびに、私は少し悲しくなります。あの車はそのために生まれたわけじゃない。
GT-Rは走ってこそGT-Rです。それだけです。
以上、GATER KAZUKIでした。
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