著者:GATER KAZUKI
みなさん、こんにちは。GATER KAZUKIです。
最近、20代のR32オーナーと話す機会が増えました。
モーターファンフェスタのブースに来てくれた若いオーナーもそうで、「どうやって買ったんですか」という話になると、みんな一様に「大変でした」と言いながら、それでも嬉しそうな顔をしています。
その顔を見るたびに、いいなと思います。そして同時に、今の時代に20代でR32を手に入れることがどれだけ大変か、もう少し真剣に語られるべきだとも思っています。
今日はその話をします。
まず現実の話をします
R32 GT-Rの価格が、おかしなことになっています。
程度の良い個体は500万円を超えることが当たり前になり、フルノーマルで走行距離が少ない個体であれば700万、800万という数字が普通に並んでいます。10年前の倍以上です。
20代の平均年収を考えたとき、500万円の車を買うことがどういう意味を持つか。頭金を貯めて、ローンを組んで、維持費を払い続ける。その現実は、数字として想像するよりずっと重いものです。
しかも維持費の話がまだあります。
RB26DETTのオーバーホールは状態次第で数十万から百万を超えることもある。足回りの整備、ブレーキ、ゴム類の交換。30年選手の車を維持するコストは、購入価格と同じくらい真剣に考えなければなりません。保険料も普通の車より高い。車検も高い。
これを20代の収入でどう捌くか。答えは人それぞれですが、簡単ではないことは確かです。
それでも買う人間がいる理由
では「買うのをやめろ」と言いたいのか、というとそうではありません。
20代でR32を買う人間に話を聞くと、みんな共通していることがあります。「気づいたら好きになっていた」という話です。
子供の頃に父親が乗っていた。街で見かけて目が離せなくなった。ゲームで知って調べていたら沼にはまった。きっかけは違っても、「気づいたらR32しか見えなくなっていた」という状態になってから買う決断をしている。
これは論理ではなく感情の話で、感情で動いた結果として500万円の買い物をしているわけです。普通に考えれば無謀です。でも私はその無謀さを批判できない。
車が好きになる瞬間というのは理屈じゃないし、好きになった車を手に入れようとする行動も理屈じゃない。20代でR32を買う人間は、たぶん全員そういう感情で動いています。
買うなら早い方がいい、という現実
ひとつだけ現実的なことを言わせてください。
買えるなら、早く買った方がいい。
価格は上がり続けています。5年後、10年後にR32を買おうとしたとき、今より安くなっている可能性はほぼありません。逆に今より高くなっている可能性の方が高い。部品の供給も、今より確実に厳しくなります。整備できるショップも、今より少なくなります。
「もう少し余裕ができたら買う」という判断が、結果として「買えなかった」になるリスクが、R32という車に関しては特に高い。
これは煽りではなく、市場の現実として言っています。
ただし「買えもしないのに無理して買え」とは言いません。ローンの返済に追われて維持費が払えなくなって手放す、という結果が一番もったいない。買うなら、維持できる状態で買う。それは最低限の条件です。
20代でR32に乗ることの意味
少し感情的な話をします。
20代でR32に乗ることには、30代や40代で乗ることとは違う意味があると思っています。
体力があります。感覚が鋭い。車から得る情報を全部受け取れる年齢です。RB26DETTが唸り始めたときの感覚、アテーサが介入する瞬間の車の挙動、ステアリングを通じて伝わってくる路面の情報。それを体で覚えられる時期に乗ることは、後から取り戻せないものです。
私の周りに「若い頃に乗っておけばよかった」と言う人間は何人もいます。「若い頃に乗ってよかった」と言う人間も同じくらいいます。でも「若い頃に乗ったことを後悔している」と言う人間には、一人も会ったことがありません。
最後に、今R32を狙っている20代の方へ
程度の良い個体を焦って買う必要はないと思っています。でも程度の悪い個体を安いからという理由だけで買うのも勧めません。安く買って維持費で苦しむパターンは、結果として高い買い物になります。
信頼できるショップを見つけることが最初のステップです。R32を専門に扱っていて、オーナーとして長く付き合ってくれるところ。そこに相談しながら個体を探す方が、ネットで安い個体を見つけて飛びつくより、長い目で見て正解です。
そして買ったら、走らせてください。飾らないでください。R32は走るために生まれた車です。
20代でR32を買うことは、無謀かもしれません。でも後悔する人間を、私は知りません。
以上、GATER KAZUKIでした。
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